術後のケアを大切にしています
中絶手術は日帰りで受けられるほど安全性の高い手術ですが、感染症や出血が続くというリスクがあります。また、ホルモンバランスが戻るまでにもある程度の時間がかかりますし、ストレスによるPTSD(PAS)のリスクも高い状態です。当院ではこうしたリスクを最小限に抑えて、心身の健康を取り戻していただくためのケアや、親身なアドバイスを行っています。
子宮の病気リスクを抑えるために
術後には子宮内感染の可能性がゼロではありません。炎症や不正出血が起こった際には、速やかに的確な処置を受けることで状態を悪化させずに治すことが可能になります。術後に激しい下腹部痛や大量の出血が起こった場合には、すぐに当院へご連絡ください。
手術後、ご帰宅してからの過ごし方
当日と翌日の安静
最低でも手術当日と翌日いっぱいは、ご自宅で安静に過ごしてください。当日は麻酔の影響で少しぼんやりするように感じることが多いのですが、睡眠をとって翌朝になれば安定してきます。出血や下腹部痛も翌日から少しずつ改善に向かいます。
2日後から1週間程度
子宮は2週間程度かけて元の状態に戻り、ホルモンバランスは数ヶ月かけてゆっくり正常に戻ります。出血や下腹部痛が回復に向かいますが、激しい運動、力仕事、立ちっぱなしなどお身体に負担がかかることは避けましょう。
出血
術後の出血は翌日から少しずつ減少しはじめますが、1~2週間程度は続くことが多くなっています。当院では吸引法による手術を行っているため、通常の掻把法に比べると術後の出血が少なく、回復も早くなっています。出血量や続く期間には個人差がありますが、術後にしっかり安静を保つことで出血量を最小限に抑えることができます。出血がある間は無理をせず、できるだけ安静に過ごしてください。
痛み
手術中には麻酔により痛みを感じることがありませんが、術後に麻酔が切れてくると痛みを感じるようになります。術後の痛みでは、妊娠で膨らんでいた子宮が元に戻ろうとする収縮痛があります。手術後のご帰宅時には生理痛程度の痛みがあって、時間が経過すると少しずつ治まっていって、数日で痛みが気にならなくなることが多くなっています。普段の生理痛が重い方はこの痛みが大きくなりやすい傾向があります。ご不安がある場合には痛み止めの処方も可能ですから、医師にお伝えください。また、痛みがある間は、無理せず、冷やさず、できるだけ安静に過ごすと早く治まりやすくなります。
入浴
手術当日のシャワーは可能ですが、バスタブのお湯に浸かるのは術後1週間で受ける診察で医師の許可が出てからにしてください。サウナ・プール・温泉は、手術後1ヶ月以上経過してからにしてください。感染症予防のために、しっかりこの制限を守ってください。
飲酒
出血がなくなり、子宮が収縮して元の状態に戻ったら、飲酒が可能になります。ただし、しばらくは控えめに飲むようにしましょう。
性交渉
術後2週間以上経過していて、出血や痛みが完全になくなっていることが、性交渉再開には必要です。手術直後から妊娠する可能性がありますので、生理の有無に関わらず必ず避妊してください。
生理の再開
これまで生理周期が安定していた場合には、手術後1ヶ月程度で生理が再開しますが、生理不順の場合にはそれよりかなり再開が遅れることがあります。術後にはじめて起こる生理は、量や期間、痛み、経血の色などが通常とは異なることがあります。数回の生理を経て、通常の状態に戻りますが、気になる場合にはご相談ください。
避妊
お身体は手術当日から妊娠可能な状態になっています。手術後の油断によって、次の生理が来るまでの間に妊娠してしまうということも珍しくありません。当院では、女性がご自分で避妊をコントロールしてお身体を守れる低用量ピルや避妊リングのご説明や処方も行っています。なお、手術後のピル服用は通常、生理が来た時点でスタートとなりますが、手術後早めに服用を開始することもできます。ご希望がある場合には、ご相談ください。
術後のアフターフォロー
予防的処方
感染の予防や回復を早めるために、抗生剤や子宮収縮薬などを処方しています。医師の指示通りにきちんと服用してください。
術後の診療
手術翌日と1週間後の術後検診は必ず受けていただいています。痛みや出血、子宮の状態を確認して、さまざまなリスクを抑制します。また、運動や長距離移動などに関する制限についても、よりきめ細かく適切なアドバイスが可能です。
手術後の過ごし方
安静
最低でも、当日と翌日はご自宅で安静に過ごしてください。安静に過ごす期間が短いと出血や腹痛を起こしやすく、回復が遅れる・炎症を起こすなどのリスクも上昇してしまいます。
入浴
シャワーは当日から、お湯に浸かる入浴は1週間後の診察を受けた際に、医師の許可が出たら可能になります。
お酒
出血が完全に止まるまでは、飲まないようにしてください、
運動
1週間後の診察を受けた際に、医師の許可が出たらジョギング程度の運動が可能になります。激しいスポーツやアスリートが競技として行っているスポーツの再開時期には個人差があるため医師と相談して決まります。一般的には、出血している間は控えていただくことが多くなっています。
妊娠を希望される方に
手術後に妊娠を希望される場合には、手術直後の妊活は避けて、しっかり回復を確認してから妊活するようにしてください。生理が3回ほどあってから妊娠計画を立てることをおすすめしています。当院では、術後のフォローと共に、検診をある程度定期的に受けていただいて、妊娠までをバックアップする診療も行っています。
手術前にご注意いただくこと
前日や当日朝の食事
前日の夜中12時を回って当日0時以降は一切の飲食禁止です。
当日、起床してからも飲食せず、指定された時間までにご来院ください。
水分補給は口を湿らせる程度に抑え、飲み込まないようにしてください。
少量ずつであれば飲んで頂いても大丈夫です。ただしスポーツドリンクやジュース類は除きます。ミネラルウォーターのみにしてください。
手術当日のネイル・メイク・カラコン
手術中には、皮膚や爪の色、瞳の状態確認が全身状態把握のための情報として不可欠です。また、指先で血液中の酸素飽和度を計測するため、ネイルは落としてご来院ください。
手術前に、メイクは完全に落とし、カラーコンタクトレンズやコンタクトレンズは外していただく必要があります。